お  り  べ  

辻が花染めを思わせる、緑と白の色合い。縞萱です。「おっ おりべ・・・」なんて簡単に思ってしまう。
白地に絵付をしたくなるが、無用であることもすぐに悟る。何も足さない何も画かない・・・
どこかのCMみたいなシンプルさもいい、これだけで(イキ)である。
織部は敢てここで筆を執る、(野暮)への挑戦ともいえる。


G.正観堂/個展口上

「人は声や音なしでは暮らせないように 人は沈黙なしでも生きることはできない。」
(瀧口修造) 一度だけ西落合のお宅を訪ねたことがある ガウンを着て奥様とふたり
玄関先まで本が積まれた狭い少し暗い場所で まるで時間がとまったかのように自ら
の近況を語られた ことばが内側からボーッと光を発しているなかに立ち尽くしている
錯覚に陥っていた 器を手にするときの法悦も案外こんなことなのかもしれない

つ ゆ く さ


「みてみてみて・・・」と咲いている花ではない。恥ずかしながら、これがツユクサと確信のないままカメラを
向けた。(たぶんツユクサ・・・)でも文句をいわないような佇まいである. この空の青も控え目で美しい。知
識の補充のため調べてみると自家受粉もできて、友禅染めでは下絵用染料というからどこまでも控え目
だ。記憶の隅のほうに子供たちが小さなころ、この花弁を潰して青色を採っていたことを思い出した。
「空の青」・バタイユの小説にありましたね。

 

 

む く げ

 

 

 

 


他所の家ではとうに盛りを過ぎているムクゲだけれど我が家では、いまが一番きれいに咲き誇っている。
ほかの花もワンテンポ遅い気がする。春先のこぶしなども、木は大きくなったけれど20年花が咲かずに
いた。
「中々、咲かないものなのョ・・・」と慰める人もいれば、「切ってしまえ・・・ば」と表現する人もいた。脅しが
効いたのかどうか、この頃は時々咲く。このむくげも、昨年随分切り詰めたせいか花が必死にさいている。