器記 お り べ 2012/09/08 koyama 辻が花染めを思わせる、緑と白の色合い。縞萱です。「おっ おりべ・・・」なんて簡単に思ってしまう。白地に絵付をしたくなるが、無用であることもすぐに悟る。何も足さない何も画かない・・・どこかのCMみたいなシンプルさもいい、これだけで(イキ)である。織部は敢てここで筆を執る、(野暮)への挑戦ともいえる。
おしらせ G.正観堂/個展口上 2012/09/08 koyama 「人は声や音なしでは暮らせないように 人は沈黙なしでも生きることはできない。」(瀧口修造) 一度だけ西落合のお宅を訪ねたことがある ガウンを着て奥様とふたり玄関先まで本が積まれた狭い少し暗い場所で まるで時間がとまったかのように自らの近況を語られた ことばが内側からボーッと光を発しているなかに立ち尽くしている錯覚に陥っていた 器を手にするときの法悦も案外こんなことなのかもしれない
思記 つ ゆ く さ 2012/09/07 koyama 「みてみてみて・・・」と咲いている花ではない。恥ずかしながら、これがツユクサと確信のないままカメラを向けた。(たぶんツユクサ・・・)でも文句をいわないような佇まいである. この空の青も控え目で美しい。知識の補充のため調べてみると自家受粉もできて、友禅染めでは下絵用染料というからどこまでも控え目だ。記憶の隅のほうに子供たちが小さなころ、この花弁を潰して青色を採っていたことを思い出した。「空の青」・バタイユの小説にありましたね。
思記 む く げ 2012/09/04 koyama 他所の家ではとうに盛りを過ぎているムクゲだけれど我が家では、いまが一番きれいに咲き誇っている。ほかの花もワンテンポ遅い気がする。春先のこぶしなども、木は大きくなったけれど20年花が咲かずにいた。「中々、咲かないものなのョ・・・」と慰める人もいれば、「切ってしまえ・・・ば」と表現する人もいた。脅しが効いたのかどうか、この頃は時々咲く。このむくげも、昨年随分切り詰めたせいか花が必死にさいている。