漆による繕い(金継)

    
 ※漆を使うようになって20年以上になる最初は、新規開店の料理屋さんの注文の品にひびが
入ってしまったときだ。とても焼き直す時間もなく漆で直したらどうだろうと相談すると「それも
面白いね」とイキなおかみさんが答えてくれた。木曽の漆器組合からうるしを取り寄せさっそく
作業にとりかかる。漆の扱いなどは、そのころ陶胎漆器なども作っていた野本希望さんから教えて
もらった。とはいえ、初心者のこと酷い漆かぶれに悩まされたことはいうまでもないが無事、繕い
して納めることができた。
この頃に漆を使った織部をつくっている。焼物と漆というのは縄文時代からの相性のいい素材なの
でまたこれから作ってみたいと考えている。

※漆による繕いは、現在は意外と簡単に出来るが基本は少し教室などで学んだほうが近道だろう。
ぼくは、欠損部をパテで埋め表面を整えてから生漆2・3回→黒漆→赤漆→金粉で金継をしている。
もちろん、漆はそれぞれ塗るたびに室(茶箱など)に入れて硬化させている。

※写真は陶片を呼継したもの。いまはほとんど自分の楽しみでやっているがときどき料理屋さんの
大皿などの直しを頼まれることもある。戸隠のそば屋さんでは店員さんが教室で覚えて店の器を直
している。店の格が上がります。   
              

  ※上の2点も普段愛用している。左は抹茶に、右は酒に。どちらかといへば金継より黒漆のほうが好き
かもしれない。

 

※この扁壺は昨年南三陸町で被災したもの。
棚から落ちてバラバラであったものを奥さんが小さなカケラひとつまで拾い集めてあったものを
持ち帰り[黒漆に金粉]を繰り返し3回やって研ぎ出した。研ぎ出す中で現われる艶が好きだ。
あの喧騒のなかでも大切にされていたことが何より嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         

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