夜咄の茶会

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燭台を使った夜咄(正式には違う呼び方がある)の茶会をギャラリーの石川さんを席主にしてやって頂いた。茶室は、善光寺の門前にあった金物問屋の広い屋敷にあったものをそのまま保存した”無心庵”。
蝋燭の炎が緩やかに揺れるなかでの非日常の茶事というのもいいものだ。四畳半に6人が座り、絵や道具の話をしながら、万事計算し尽くされた展開に身を委ねるように時間が流れる。
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織部尽くしの茶会ということで、燭台、茶碗、掛け花入、菓子器を様々な織部の技法のもので揃えた。

菓子は、娘の作った「着せ綿」
器は、絵織部隅切り四方鉢

 

 

 

 

 

森温理について 

「森温理について」 2013以降加筆しました

絵のなかに生きた 森温理展 終了いたしました<m(__)m>
北野カルチュラルホール
10月15日~11月13日

後半に向けて盛り上がりをみせて・・・大盛況(1200人)の入場者があった。40点ほどの絵も愛好者に引き取られていった。
28年のあいだ、よくここまでさして傷みもせずに持ちこたえたものである。肩の荷が下りるということを実感している。

幾らか準備不足で始まった温理展だったが、始まると同時にメディアが取り上げてくれ幸先のよいスタートだった。会場の近くに住む鎌倉さんが連日会場に居てくれたことも幸いして後半にも新聞・ラジオ・テレビと立て続けに報道されたせいで、客足が途絶えなかった。

こんなこともあるのだな・・・出来すぎた夢のような展覧会になった。
観に来て下さった皆様 ありがとうございました。
全く無名の画家であるにも関わらず 色がいい 優しさがある 書かれた言葉がいい・・・と反応は上等だった。

今後のことは、これからゆっくり取り組んで行こう・・・♪

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立礼席のお手前

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ワビ・サビ・カワイイ展の会場で、立礼でお茶を召し上がっていただいた。
全て自作の織部焼でと考えていたのですが、並べてみると流石に”野暮”・・・ということになり、棗は漆器に、建水は銅器になった。背後には大きな一枚ガラスを挟み、孟宗竹を配した坪庭に手水鉢が据えてあります。

お手前は、画廊のご主人が美しい所作でやってくださった。生意気ですが、お人柄なのだと思うけれど、これ見よがしな所もなく自然体で、多分ご自分の気配を消されているのではないかと思われるほど道具に寄り添った、素敵な姿でした。

・・・こういうのを、「作り手冥利に尽きる・・・」とでもいうにかな~満足(*^^)v

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緒方真太郎遺作展 9/13~9/18

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川崎駅前タワー・リパーク3階
アートガーデンかわさき
044(200)1415

9月13日~18日 10:00~17:00

緒方真太郎さんは1949年熊本に生まれた。詳しいことは聞いていないが20代に旅先の与論島で火事の現場に遭遇して、火中の子供を助けようと飛び込み自らも全身に大やけどを負ってしまったらしい。

満足に働くことも出来ず僕が知り合った30数年前には、すでに生活保護を受け静かにアパートの部屋で絵を描く生活を送っていた。
皮膚に酷いヒキツリが残り、時にはそこが裂けて血がにじみ出るのだという。遠出もままならなかったようだ。

スピリチュアルな彼の絵が、ただ只管・・・魂に導かれるまま・・・に描かれたものであることには、そんな背景もある。

小ざっぱりと身綺麗な暮らしぶりで、毎日少しづつ絵に筆を下し、ほんの少しのお酒を楽しみ、トム・ウェイツのように歌を唄った。