一昨年あたりからだったか・・・?黄瀬戸織部というものを焼き始めた。
黄瀬戸というには、少しいろいろ技巧を加えて、尚且つタンパンも盛大に使うので織部とした。
幾種類かの土を積み上げて寄木のようにしたものが、かつてあまり類例はないが桃山の唐津にあって、その複雑な表情をどうしたら作れるかと何度も試したが上手くいかなかった。10年以上まえのことだ。
2年前か京都の骨董商を訪ねた折に見せて頂いた志野茶碗にシンプルな練り込み?のものがあってどうやったものか写してみた。そのバリエーションを展開していくうちに、難題だったその唐津の茶碗が出来てしまった。
出来てしまえば、全てはコロンブスの卵だが・・・。まだまだ、何か展開できる可能性を秘めているようだ.
この茶碗は、楽焼の作りで仕上げた。 薄作りで350グラム程度だろうか。かつては、ゴツイ織部の茶碗が好きだったから それほど重さには拘らなかったけれど、長次郎の作った茶碗の作りとその削ぎ切った造形に興味がある。この茶碗もあと5度も温度が低ければものにならなかっただろう・・・。 「作り 上がり 景色」 が整った茶碗は、やはり中々出来ない。
こんな良い茶碗が 残って手元にある。
どうしてだろう・・・?????