か げ

谷崎潤一郎の陰翳礼讃ではないが陰がもつ不思議な魅力に触れた、これもまた秋のせいか。映って
いるのは窓の外のヘチマの葉と蔓である。西日に打たれて映る影は、現実のものよりも艶かしくリア
ルに感じるのは気のせいか。また、その色は黒でなく灰色でなく藍でなく青でなく、そのどれでも
あるような素振を見せる。織部の絵付けのヒントにもなりそうな自在さで刻々とその姿を変えるの
である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・実物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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