花と虫だが 知らない時には 見えなくて 一度その名前を覚えたり 写真などで観たりすると そう日を置かないうちに 目の前に現われてくることがある。
ひとつは ”ねじ花”だった 深沢七郎の小説”みちのくの人形たち”にその名前がでてきて、図鑑で調べその姿を知った。小さなピンク色の花が螺旋状に付いている愛らしい花だ。そんな花もあるのか・・・とさして気にもしていなかったのだが、数日後にたまたま歩いていた山道で立ち止まった其処に まさに目の前に咲いていたのである。それからはさまざまな場所で出会うことになる・・・。
そして今回の“雪虫”ということになるのだが、数日前にツイッターに出ていた写真を見て知ったばかりだった。北海道や東北でよく見かけられる、初雪を知らせる虫ということだったから、我が家のある戸隠では見ることなどないと思い込んでいた。そして昨日の朝、昼ごろからは雨になるという天気だったから、気温次第では山のうえは雪になるかもしれないな、などと思いながら雪囲いをしていると ひとつだけ白い雪のようなものがフワフワと飛んでいたのである。
ここに”名づける”とか”意識化”することの意味があるのかもしれない。
創作とは、何も見たことも無いものを創り出すことではないようだし、おそらく その目の前のまだ”名づけられもせずに”あるモノやコトに意味を見出し、名前を付けることがその役割なのでは・・・と少し脇道の視点で考えてみたが・・・どこかで読んだことのあるなと思いなおした
クレーか? 人の主観なんて 随分危ういものだ・・・更には 随分見落としているものもあるのだと想った。