旅から旅へもどる
土から土へもどる
この壺をこはせば
永劫のかけらとなる
旅は流れ去る
手を出してくまんとすれば
泡となり夢となる
夢に濡れるこの笠の中に
秋の日のもれる
西脇順三郎
詩集”旅人かへらず”
より
どこまで本気なのか
冗談なのか・・・
ただ この冗談には
えもいわれぬ香気があって
好きだった
” 岩石の淋しさ ”
なんて一行もある 淋しさばかりを拾い集めて
もはや ”・・・詩の無いところに 詩がある・・・”
と これまた外してみせる
つづく