「岩田慶治と土方巽」 (私見)

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「月刊みんぱく」1994・1 が岩田先生を知るきっかけとなった。季刊「民族学」の姉妹編のようなもの
だ。6ページにおよぶインタビューの一言一句が既に知っていたことのように腑に落ちた。そして、出
版間もない「アニミズム時代」という本を取り寄せた。(これから書くことは全て繰り返しになるが・・・。)
ぼくは、20代前半に舞踏家の土方巽師のもとに2年間おせわになった。わけも解らぬままその渦中に
身を任せていたといったところが実状だったと思う。踊りの稽古を重ねるなかで土方師が語った言葉や
紡ぎ出すイメージ、あるいは様々な現象に対する解釈が、ぼくには土方師の独断的な思想あるいは
奇妙で可笑しな言語遊戯に想えた。・・・膨大な書籍と広範な人脈・そして知的梁山泊と呼ばれた館
のヌシが語る話は、表層の日常をある種魔術的リアリズムとでも呼べる薄皮を剥いだ日常としてみせ
てくれた・・・と思っていたのだが、そうではなかった、実のところ師の言葉はわれわれ現代人が、科学
的常識を優先するがために置き忘れたアニミズムの視点から発せられていたといってもいいのでは
なかったか。
 アニミズムという視点から、「地」から宗教の抱える問題をとらえ直そうとしていた岩田先生の言葉が
「既に知っていたことのように腑に落ちた。」のはそのためだった。

   

そのあたりのことを、2人の残した言葉と僕のわずかな記憶から比較してみたい。
・・・少しづつ これから。

つづく