辰巳橋を渡ると若者が俄か舞妓さんを撮っていた。まさしくここは虚々実々の世界のY字路である。
この辰巳橋界隈は祇園を訪れたことのある人は、一度は立ち寄るのではないでしょうか。白川の脇に
櫻の枝がたっぷりと張りだして花の時期はことのほか美しい・・・らしい。そして辰巳稲荷。
いつ通っても誰かが写真を撮っている。右に行けばお茶屋さんが並び、左に行けば中ほどに吉井勇の
歌碑が建っている。
かにかくに祇園はこひし寝るときも 枕の下を水のながるる
何てことはない遊び人だった吉井のしみったれた句にしか思えんけど・・・なんていったらしかられるか?
単なるヒガミだね。
志功が板画にした流離抄には、いい句があるのにね。
夕ざれば狩場明神あらわれむ
山深くして犬の聲する 《右の板画の句》
【・・・「ゴンドラの歌」もそうだ。 ♪命短し恋せよ おとめ・・・♪】
山に問う山は答えず山をゆき
山のこころをいまださとらず
この句は岩田慶治さんがどこかで引用していた気がする・・・記憶違いか・・・。