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粉吹き

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焼き物に“粉吹”とか“粉引”と呼ぶ、技法がある。 鉄分の多い土で成形した後にカオリン(白い土)などで薄っすらと化粧掛けして焼成したものだが、李朝でもその素朴な風合いが好まれたのか随分と作られた。

 

11月の中旬に吊るして一か月ほど干しておいた柿を藁を敷いた紙箱にいれて3週間ほど寝かせておいた干し柿を、取り出してみた。

 

“粉を吹く“というが、見事に白い粉を付けて美しく並んでいた。身も締まって丁度食べ頃になっていた。日本人の甘味の基準は、この干し柿の甘さではないか・・・と思うぐらいに自然な甘さで見て味わって感激した。

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以前に作った粉吹きの俎板皿に乗っけてみたら、その白の表情があまりに似ているのにまた驚いた。

新年あけましておめでとうございます

戸隠神社奥社 杉並木
戸隠神社奥社 杉並木
雪に埋もれる 奥社社殿
雪に埋もれる 奥社社殿
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急坂を降りる家族

1/2 例年のように戸隠神社奥社に初詣でにいってきた。
上の写真は参道の杉並木・・・雪かきをしているわけではないので踏み固められた幅の細い道を譲り合いながらすれ違う・・・「こんにちは、あけましておめでとう・・・」と声を掛け合う・・・
 今年が良い年でありますように <m(__)m>

型に始まり 型に終わる

IMG_8631=型= 型とは何か・・・と考えるまでもない、ヒトの暮らしの日常を見渡せば有形無形の事々に、例えば道具の使い良さを求めるための型があり、また人間関係を円滑にするためのルールや言葉遣いの型がある。型を知りまた型を身に付けて、物を作り日常を送ることで得るものは多い。それを師匠や親からの言葉や仕草から覚えることもあるだろうし、それとは知らず日々の暮らしの中から身に付くこともあるだろう。生まれてから死すまで“型”によって生かされていると言ったら、言い過ぎだろうか。
松尾芭蕉はこんなことを言い残している・・・
「祖翁口訣」より
=翁曰く、格に入りて格を出でざる時はせばく、格に入らざる時は邪路にはしる。格に入り、格を出て、初めて自在を得べし。=
★自在⇔輕み⇔わび
「輕み」とは「まこと」が時・所・人に応じて現われるさいの自在さに謂いである・・・     倉沢行洋著 「対極 桃山の美」より

そんな型の側から、織部をみるのがぼくは好きなのである。
織部焼を自由奔放・豪放磊落・ヒョウゲモノと形容するだけでは片手落ちだと考えているからである。

筒向付・のぞき・深向付 ・・・

IMG_6055 筒向付という器の種類を知っている人は 案外少ないのかもしれない
 ・・・ 織部ではその頃随分作られているが 茶席では一器多用の道具として重宝がられてもいたのだと思う。 
 懐石の盆のうえでは 深い底に少しばかり 珍味を入れて出したとか客は中に何が入っているか分からないので 手にとって覗きこむのでまたの名を ”のぞき” “深向付” とも謂う。
  煙草盆にちゃっかり入り込んで 煙草の火だねを入れる”火入れ”になり済ましていたり 聞香の席で”香炉”として手の中に納まっていることもある。

IMG_8512いまでは器の絶滅危惧種のように云われることもあるが・・・。 個人的に好きなので毎回新しい型も作るし 何か新しい使い道は ない物かと 無い知恵を絞って愉しんでいる。
 今回も新たに5種型を作った。
現在60種を超えた。
 右の写真は、土型。
  下も同じ 新規に作った物。

これらの土型を使い 筒向付・火入 はいうに及ばず 銚子・徳利・蓋付の小鉢・豆皿・掛け花入れ・・・などを作って来た。

補) ある著名な料理人の方の話では 7.8分まで砕いた氷を詰めて、そのうえにお造り、あるいは手頃な葉をのせてやはりお造りを盛るという。
魯山人は少し大振りの八角の筒向付を随分作っている、使い勝手が良かったのだろう。形によってはビール杯・湯呑みにも使えるし、ちょっと一輪花を挿しても絵になる・・・などと、使い方など知ったかぶって書くなんて野暮なことだと気づく、使い手が思い付いたことを好きなようにやってみればいいことだ・・・。

 

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