「人は声や音なしでは暮らせないように 人は沈黙なしでも生きることはできない。」
(瀧口修造) 一度だけ西落合のお宅を訪ねたことがある ガウンを着て奥様とふたり
玄関先まで本が積まれた狭い少し暗い場所で まるで時間がとまったかのように自ら
の近況を語られた ことばが内側からボーッと光を発しているなかに立ち尽くしている
錯覚に陥っていた 器を手にするときの法悦も案外こんなことなのかもしれない
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つ ゆ く さ
む く げ
燭台のこと
燭台は,好きで幾体か作った。桃山期のものは、南蛮人燭台
と呼ばれていて
白人の商人や有色人の従僕のものがある。
南蛮人屏風などみてもフリル付きの商人や僧侶の身なりほどではないにしても
屈強なアフリカ系の従僕が結構カッコイイのだ。
織部焼のなかでも、一番遊びごころを誘う仕事だったに違いない。
ぼくの作るものは、どことはなし僕に似てると云われるが仕方がない
が本当にそうなのだろうか。
自分の姿が自分の脳に刷り込まれているのだから・・・・・か。
ローソクの炎で何杯でも酒が飲める、光の刺身みたいなものだ。
そうだ、バシュラールの著作に「蝋燭の焔」がある.
「…焔は、われわれに想像することを強いる。」
というが・・・けだし名言である。