「緑珠玲瓏館」(塚本邦雄著)はもともと「緑色研究」というタイトルで自歌自賛を試みた歌集である。
緑という色が発するイメージが《いにしえ》から様々な言葉に引用されてきたことを知った。
まだ、緑にまつわる事柄が色々ありそうである・・・。
ー緑についてー
それによると「緑酒はそのまま美酒の謂いであり、また緑字は瑞祥を記す文字のことである。一方緑林が盗賊の別称であり、緑窓を婦女の居室とするのもこころにくい。緑は深く広い。緑眼は濃い藍色の瞳であり緑髪は漆黒の髪の美称だ。空も海も碧であり、青葉・青山と一つになる。」 また「京紅を濃く塗った口紅は玉虫色と言はれ、赤インクを水に流すと緑金の油紋が浮んだ。赤陽に一瞬目をやき、瞑った時瞼の裏には緑の残像があった。」 僕のオーラも緑であるらしい。
織部を象徴する緑釉も窯のなかで時として補色の真紅を呈することがある。家の周りの草葉にカメラを向ければテキストとしての「緑」が溢れている。
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花に嵐 ・ 春の雪
今年の春は、実にさまざまな姿を見せて
くれる。
左の写真は大田原市の寺を訪ねた折の
満開のさくらだ。
この寺に辿りつくまでの高速道路や市中の
さくらも、ここぞとばかりに咲き誇っていた…
文字どうりの春爛慢の美しい景色だった。
ところが、この翌日の新聞やTVでは
「春の嵐・・・ご注意‼」 のことばが踊っていて
宿泊した足利での夜は、夜通し激しい風の
音が窓越しに聞こえていた。翌日も一日中・・・嵐であった。
景色が一変したことは、いうまでもない。
それから2週間後の戸隠・・・春の陽光をうけて光り輝いていた ひめこぶしの花になんと たっぷりと
雪・・・それはそれで美しくは ありますが・・・
新古今和歌集などひもといてみれば 思いのほか
この春の雪にまつわる 句 が多く集められていた。
今さらに 雪降らめやも陽炎の
もゆる春日となりにしものを
森温理展 き ま る
栃木県の さくら市ミュージアムで温理さんの展覧会が決まりました。
会期 2013 ・ 11/2~12/23
正直なところ、信じられないことだった。
なにしろ温理さんは、亡くなられて 25年
生前に 描いたものを発表したのが、2,3度
注目されることもなく、長野の小さなアパートでひとり
自らの絵と格闘して亡くなった・・・そして
パステル画だけが残った。・・・800点。
《大変な作品数だ‼》
ここに至るまでの想いをつないで下さった、さくら市の皆さん ありがとうございました。
とりあえずは、良き展覧会になるように、知恵を絞り、段取りをし
手間暇を惜しまず・・・にご協力いたします。
森温理の詳しいことはこのHPの「森温理展に向けて」
をご覧ください。
・・・オンリは無論ただの人だった。今時のえかきがどちらのタイプが幅をきかせているかは、言うをまたないが、虚栄や自己疎外から解放されたこころある道を進むものであった。彼の絵に対する情熱は《生きがいと云ってもいいが》真摯であり、その同じ絵心を持って人生の謎の数々に挑戦し続けた常人の及ばない偉大な素人だった と思う。そのことは、彼の残したかなりの数の絵画や日記、手紙類に明らかにされているし、何よりもオンリと一緒に過ごした思い出を楽しく呼び起こすことのできる、少なく無い友人たちが認めることだろう。
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