★土をどの程度の粒子にするか、ではなくて混ざっている小石の粒子を調整する作業。小石というより砂粒程度になる。この判断基準は、(古陶片などで)高台周辺の削り跡から推測する。
★残った小石は、捨てずに残しておく。作りたい
ものによって再度加えることもある。
★★石臼は知人から頂いた、杵は電柱で作った、篩ももちろん。「焼き物の道具はね、大体自分で作れるよ。」瀧口先生に言われたことではあるが、ローレンツの刷り込みのようなものか、単なる貧乏性か「買う」という発想のまえに「作る」がくる。
★土岐市から可児市大萱に向かって五斗蒔街道 が走っている。その街道の両脇に志野・織部を焼いた古窯址が多数散在する 。
多彩な粘土がある。
★この土は、酸化ではベージュがかった色に上がる。砂気が多い。単味ではロクロが挽きずらいが、これがいわゆる(もぐさ)と形容される土に(練り上げると)見た目が一番?近い。ポソポソした感じ。
★これは木節粘土。たぶん多治見あたりの物。 小石はないがそのかわりに炭化した木片 (メタセコイヤだったか)が混在している。 ★上の五斗蒔粘土に合わせて使う。作るもの によって合わせる比率が変わる。粒子が 細かく磁器みたい。粘りが強いのでもぐさ
土に混ぜる。ロクロ挽きを安易にし焼き締まりを良くしてくれる。
★この2種が僕の織部の基本になる土です。安定して手に入れることが出きることと、微妙な調整が できるのがいい。とはいっても山のつちである、仕入れる度に違うのは想定内である。30年来の付き合いのここの主人・山久さんから整土[製土]の仕方や土の性格を教えてもらった。・・・が2016年頃に亡くなられた。貴重な方だったが、その後工場も閉められた。この時20年分ぐらいの土を分けてもらった。
★この他にも原土を出来る限り手に入れている。それらは、酒のみや茶碗・花入れなどで使うこ とが 多い。大分以前のこと、釜戸の熊谷陶料のおじさんに「原土を分けてくれ・・・」と頼んで叱られたことがある。いわく「米作りの農家に、田の土をよこせ・・・というのと同じだよ。」という事であったが番外地で製作する僕の事情も察してくれたのか、ほどなくして譲っていただいた。とって置きの土というのもあり分けて頂いた.
★2010年頃、土岐市から瀬戸市まで足を延ばして蛙目粘土の原土を買うつもりだったが、閉山していた。他所を当たったがそこも扱わなくなっていたが、思いがけなく磁器土を大量に無料でもらう事が出来た。磁器土というがよく判らない、半磁器程度とみたほうがいいみたいだ。
大平の窯跡からは、美濃染付と呼ばれる
半磁器に山ゴスで絵付けされた器が発掘される。
ちょっと、そんな物も作ってみたくなった。