「あのと記」カテゴリーアーカイブ

氷の柱

 

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 普通 氷の柱と書けばつららのこと。
でもこの姿をみれば こっちの方が、
柱というに相応しいたくましさを感じる。
冬の間地面の表層数センチ下のとこ
ろで10cm~15cmほどに霜柱が
成長する。この成長する水は、大変な
力持ちであることはいうまでもない。

《ぐぐぐっ…》と声が聞こえてくるようだ・・・

春を告げるように 庭先の日だまりが
ボコンっと凹む・・・そこからアンダーグランドの世界を覗いてみた。

東博

IMG_2675東京で一番好きな場所・上野・東京国立博物館
          そのなかでも好きなのは東洋館
               昨年は改装中だった・・・
                                 今回はリニューアルしてお目見え。
まずはゲートを抜けて右手の東洋館へ、
小規模ながらミュージアムショップが
新設されていた天井の高い、というより吹き抜けの展示ルームにはいる、ここは石仏がみられる。
巨大な石仏、菩薩立像が2体  レリーフの仏達・イケメンのガンダーラ仏・写真を撮っていたら・・・
気をつけていたはずが、フラッシュをたいてしまった
監視のひとが「ダメですー」と素早く走り寄ってきた・・モウシワケない
 広い階段をのぼり…中東の焼物・ガラス・エジプトのミイラさん
最近(3・4年になるが)焼物でつかっている円筒印章のヒントはこことオリエント博物館だった‼                                     中国の巨大な書・・・etc
  次の階(3階?)が韓国・中国<個々の工芸は無論観賞に値するが
ぼくのお気に入りは、堅そうな黒い石に刻まれた「画像石」・・・

漢の時代の楽団・踊り・曲芸が彫られていて、先祖の霊を楽しませるものだという・・・
ちょっと キツネ目の顔がいいし、どんな意味があるのか長い袖の衣装、
誇張で描いてはいない・・・いつだったか、どこでだったか
見たことがある。
                                                
                                           
長い袖で踊る人 と曲芸師(ボードビリアン)                        
                            ・
  その脇で3種類の、それぞれ占いをしてくれるボランティアの女性がいた・・・これは新しい試みだ。
 今後のぼくの「運」も見てもらえばよかったか?   まだ なじんでいない 感じ。
横を通っても、「観ていきませんか・・・」とお誘いの声はかからない。
ちょっと視線はあったけど・・・。
いかがわしさのスパイスがないのだ。
 とりあえず まあいいか。

 円空さんは、菩薩様も捌ききれないほどの人だかりでほぼ 通過。
 いつかまたじっくりゆっくりお会いしたい。 
              
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 画像石 二人が芦笛か(インカなどにある・パンフルートといったか?)・・・芦笙ですね。
                                  中は胡弓か?・右は古筝(小さめな琴)みたいなものだろうか?)
                         
                                                                                                                                           菩薩立像(4.5メートル?)IMG_2640

この菩薩様の光背の側面と背後が千体仏になっている。これだけ大きいものだが、細部まで細工が行きとどいている。粗いところが全くないのに感心する。IMG_2638・・・当然なのは分かっているけれど・・・

今回は、本館・一般展示室でも木造仏を撮っていた時に、撮影禁止のもの(気付かなかった)に
カメラを向けた途端・・・「止めて下さい・・・データーを消してー」とお声がかかってしまった。
(いままでこんなことはなかったのに・・・注意力が散漫になったのかもしれない・・・)

☆ ミュージアムショップの工芸・書関係の書籍が充実している‼  ここで、時間を潰すことも多い。

東博さーん・・・焼物のコーナーで実演しますよー・・・   (上手くはないが)

 

こんな面白いブログもあった(゜o゜)
 http://officemaki.exblog.jp/19583450/
(承諾して戴きました。)



 

仕事は見えるようにしろ‼

この言葉がどんな経緯で発せられ,怒鳴られたのかは忘れてしまったが、
何かと思いだす言葉だ.


ところは、いまでは解体されてしまった歌舞伎座の大道具の現場だ。
余程、身に応えたのか、いまだにどんな仕事をしているときも、
「見えるように・・・」が
優先順位の一位である。
といっても、「見えるように・・・」というのが何を指しているのか
いまだに謎なのである。
「チンタラヤッテンジャァネエヤ・・・」が前にくるのか?
この「見えるように」に含まれる意味は深い。江戸大衆文化の象徴でもある歌舞伎の「いき」が
コーティングされていると僕はみた。


写真はそのころ使っていたゲンノウ(カナヅチ)である。
これを腰袋にいれてあるいはベルトに挿して、舞台転換のときに飛び回るのである。

「所作台」
出し物にもよって、所作台という敷台を舞台全面に敷くことがある。
いわば床を踏み付ける音を、より大きな音にするための装置みたいなものだ。
60cm×210cmぐらいだったが板が厚いのでかなりの重さだったが、これを肩にかけていとも簡単に運ぶ裏方は
イキだった。 それと対照的だったのが黒子さんで内股歩きで 
舞台裏の薄暗がりで「ねえねえ・・・」なんて
声を懸けられたこともあった☆ヨナ。

少し歌舞伎の裏方の事でも書いてみようかな

12/6      追記

中村勘三郎さんが亡くなりましたね。歌舞伎が大衆のものであったことを
常に意識し、謙虚で、新しい事に挑戦した
人だったらしい。

 

先代の勘三郎さんが坊主役で、幕が開くと上手に立っている
という「出」があった時に、下手に
腰袋を下げた坊主頭のぼくが立っていたことがあった。
一瞬眼があって、
もちろん僕は、すぐに引っ込みはしたのだけれど
・・・大目玉を食らうかと思いきや
「おいおい、下手にも坊主がいちゃあ、不味いだろう・・・」と笑っていたよ
とあとで教えられた。
カブキは、フトコロが・・・でかい。



もうひとつ、歌舞伎の生命力を感じたのが次のような事だ。

丁度そのころ、映画で巨大なサメのでてくる超娯楽大作「ジョーズ」が封切られて
チマタの人気をひとりじめにした・・・その直後ぐらいだった
だろうか。

歌舞伎座でも・・・やってくれました・・・
大舞台全面に、青い布を敷き・・・上手下手の裏方が両脇で布を煽り・・・荒海を演出し
小舟に乗った漁師の前に
奈落から・・・巨大なサメの頭部がせり上がって出現したのである。

「受けねらい」の典型ではあるが、・・・文句なしに面白かった。

当然、看板役者はだれひとり出ていなかったと記憶する。

カブキは、喜ばせ上手であった。 😆


つづく